火星: 最新画像で見る「赤い惑星」のすべて

火星: 最新画像で見る「赤い惑星」のすべての詳細

火星についての本。いままでの探査衛星が撮影した鮮明な画像を中心とした構成となっているのが特徴である。大型本であり、価格は張るが、迫力がある。おおまかには、火星の南半球はクレーターだらけの高地で、北半球は低い高原である。地殻は主に玄武岩質の火山岩で主に構成されていて、赤身がかった酸化鉄に富む塵でそのあちこちが覆われている。マントルは地球より多く鉄を含む。核は4000度の鉄とニッケルと硫黄の混合物と考えられている。また、火星は太陽を周回するのに687日かかる。太陽からの距離は平均で2億2800万㎞だが、地球に比べて火星の公転軌道は楕円であるため、近日点では2億670万㎞なのに遠日点では2億4920万㎞と幅がある。この軌道のおかげで、火星の四季はかなり複雑になっている。特に近日点になるとダスト・ストームが吹き荒れる。なんといっても、火星の地域別の画像が圧倒的だ。火星の赤道の南に半球を横切るように延びる巨大渓谷系のマリネリス峡谷。太陽系最大級の火山がいくつかあるタルシス台地。極冠がある北極部。南部高原の真ん中に位置する巨大クレーターのヘラス盆地。複雑な南部高地地帯、他。次々と火星の名所が登場する。今までの火星探査衛星や、フォボスとダイモスの2つの衛星の解説もある。バーチャル火星旅行を楽しむには格好の一冊となっている。