神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源

神は、脳がつくった 200万年の人類史と脳科学で解読する神と宗教の起源の詳細

人類の祖先は約600万年前にチンパンジーとの共通祖先から分かれたが、そこから現代人のような意識＝脳の仕組みに達するまでには、多大な脳の進化が必要だったということがわかった。たとえば、40万年前に火を使って生活していたホモ・エレクトスでさえも、他人が何を考えているかを考えることはなく、計画を立てて行動することもなかった。人類が現在のような意識を持つようになったのは、驚くほど最近のことであった。さて、本題の"神“という概念についてだが、この概念が生じたのも本当に意外なほど最近のことだったのだ----約7000年前。人類をどう定義するかは難しいが、ホモ・サピエンスに限っても23万年の歴史があるので、その3%ほどの期間に過ぎない。人類が農業を始め定住し、人口が爆発的に増え、数万人以上を束ねる国家が生まれた。大勢の人々を国王に従わせるためには、先祖の霊魂以上に強大な権威が必要だった。この事実は、我々の宗教に対する考えを変えるものではないだろうか？それほど本書は重要な一冊だ。さらに、脳科学・人類学・考古学・宗教学など広範囲に及んでいるので知識の面でも新しい発見があるのは間違いない。